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コロナ後の未来予測・日本復活

 渋沢栄一を書かせていただく予定でしたが、中国発のコロナ肺炎が世界で大流行し、心配される方がたくさんいる。マスコミのネガティブ報道は、行き過ぎているのではないかと思う。そこで、時間軸を長くしてコロナ騒動について考えてみた。

 私はコロナ騒動後の日本が大変楽しみである。こんなことを言うと不謹慎に思われるかもしれないが、この世界中のコロナ騒動が収まると日本は、発展軌道に入るはずである。陰極まって陽に転ずる、陽極まって陰に転ずるといわれるが、一つの真理だと思う。コロナ肺炎大流行はすでに陰極まった感じがする。これからは陽に転じていくはずである。
 地上波では、報道されないが、今年の国内でのインフルエンザ肺炎由来による死亡者数が激減している。日本では、毎年1000万人くらいの人がインフルエンザに感染する。通常のインフルエンザの死亡率は0.1%くらいだから、インフルエンザ肺炎由来による死亡者数は、毎年1万人くらいいる。ところが、コロナ騒動で、手洗いなど衛生意識の向上や、不要な外出などが減ったためなのか、なぜかインフルエンザ感染者が1/5程度になっている。もちろん同じ割合で死亡者数も減り今年は、2000人くらいといわれている。コロナでの死亡者数は、4月下旬で約300人くらいだから、インフルエンザでの死亡者数を合わせても、通常の2割程度の被害となっている。命に対する危険度は減っているのが現実である。

 経済面でもこの大騒動後、世界のシステムが大きく変わるはずだ。平成元年にベルリンの壁が崩壊、2年後の平成3年にソ連崩壊、そして中国なども西側の市場経済に参入してきた。世界が変わった瞬間だった。
 この大きな世界の変革で、日本の地政学的価値が下がってしまった。それまでは日本が共産圏の防波堤という位置にあったため、アメリカは強い日本を望んでいた。しかし、ソ連が崩壊し、中国が市場開放したので、中国もいずれ資本主義陣営に入ってくるだろうと、米国・日本を中心に西側諸国が、中国の発展を手助けした。そのお陰で中国は、世界第二位の経済大国となることができた。資本が中国に移動して、日本の平成時代は、全く経済発展できないという状態が続くことになる。
 一方、中国は経済発展とともに軍備拡大を行い、米国主導の世界にチャレンジし始める。このことで米中貿易戦争が勃発したのである。マスコミでは、トランプが貿易戦争を仕掛けたといっているが、中国の米国への覇権挑戦が先だったのだ。米国をはじめとする欧米諸国は、このコロナ騒動で、政治体制の違う国で、製造することの怖さ・チャイナリスクにやっと気づいたようである。日用品と思われていたマスクですら、感染症流行時(非常事態)には必需品になるのだ。今、多くの国が、中国生産から国内生産または友好国生産へとシフトチェンジを始めている。資本の移動、生産拠点の移動は、日本国民、日本経済にとってはプラスに働くはずである。
 

 エミン・ユルマズ氏という経済学者がいる。彼は、令和時代に日経平均30万円の時代が来るといっている。昨年経済学者の武者陵司氏が数年後に日経平均10万円を予想していることを書かせていただいたが、それを上回る予想である。ユルマズ氏は、荒唐無稽な学者かと思われるかもしれないが、そんなことはない。ユルマズ氏は天才トルコ人なのである。彼は16歳の時、国際生物オリンピックで優勝している。高校卒業後来日、1年間日本語を勉強して、19歳で東京大学理科一類に合格、大学院で理学修士を取得している。野村証券に入社、8年後に退社して現在はエコノミストとしてメディアなどでも活躍している。19歳で、来日時は日本語がしゃべれなかったそうで、1年で東大合格するほどの頭脳の持ち主なので、天才と呼んでもよいと思う。
 
 ユルマズ氏は、日経平均30万円の根拠を下記のように言っている。
*日本の地政学的価値が、米中貿易戦争で飛躍的に上がっている。共産主義への防波堤として強い日本が望ま
 れてる。
*1860年ころ始まったジャポニズムは50年続き、その間日本経済は上昇を続けた。そして今、ジャポニズム
 が再来している。「マリオ」誕生1981年、「ポケモン」誕生1996年、1981年連載開始の「キャプテン翼」
 や「キティちゃん」も海外で大人気、これらの日本アニメなどを見て育った外国の人たちが中年となり、自
 然と日本贔屓になっている。日本ブームと日本経済の上昇には相関関係があるという。日本はソフトパワー
 を過小評価している。
*日本の株式市場は1878年に始まり40年間上昇を続け、1919年までに297倍になっている。1920年から1943年
 まで調整期間となり1945年に終戦ですから前後数年は市場も機能していない。1949年から1989年までで日
 経平均は225倍になった。1990年から2012年までが調整期間、2014年から再び上昇期間、日本の株式市場は
 40年上昇、23年停滞を2回繰り返し、3回目の上昇トレンドに入っている。
 と、いっている。200倍にならなくとも10倍、20倍になるポテンシャルは持っていると強く言っている。

 ユルマズ氏も、米中貿易戦争による世界の社会構造転換が起きることを最も重視している。1990年初頭に起きた米ソ冷戦終結による世界変化で、日本は停滞期に入ってしまったが、今起きている米中冷戦は、1990年とは逆のことが起きているといっている。

 中国が力を持ち共産主義国家として強固になってしまった。自由主義社会のルールに従がわないことが決定的なばかりか、現行の国際ルールの変更を狙っている。悪い事に、AIや5Gなどの先端技術と共産主義・全体国家との親和性がものすごく強い。監視カメラやAI技術で国民を監視するシステムはすでに稼働している。その監視システムを他の独裁国家に輸出も始めている。このような国家が覇権を握ってしまえば、国民は自由を奪われてしまうだろう。自由を守るためにも、日本が強くならなければならない。軍事的に強くすることは、難しいのだから、せめて経済的には強くありたいものである。
 

 平成時代の経済的敗北は、過度に生産拠点を中国に移動させ、国内でのモノづくりを軽視したことが原因の一つといえる。モノづくりは、国力の源泉であることを忘れてはならない。
 現在の日本に一番足りないものは、日本をよくする、日本社会に貢献するというような気概、志ではないだろうか。米中冷戦、コロナ騒動、英国のEU離脱、原油安あらゆる事象が日本にとって追い風になっている。 
 
 即位の礼正殿の儀の直前に、土砂降りの雨が上がり、きれいな虹がかかった。皆、令和時代の日本を暗示している吉兆に喜んだ。神様も日本を応援している。令和時代の日本は再び発展軌道に入る。発展の度合いを大きくするためには、気持ちを前向きに切り替えることが大切と思う。

 さあ、希望をもってコロナ騒動に耐え、日本の未来を明るくしよう。